思考を「1枚の紙」にまとめれば、会話がスムーズになる

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

浅田すぐる『驚異の「紙1枚!」プレゼン』(東洋経済新報社)

第4位は『驚異の「紙1枚!」プレゼン』。新型コロナウイルスの感染拡大によって、デジタルベースでのコミュニケーションが著しく増加しました。本来なら隣に座っている同僚とのやり取りさえ、その多くが画面上に移行しているという方も少なくないでしょう。そんな中、「口頭なら伝わるはずなのにメールやビジネスチャットだとうまく伝えられない、時間がかかる」といった問題も起き始めています。

本書はこうした課題に、「紙1枚」で切り込みます。ただし「紙1枚」と言っても、実際に「紙1枚だけで相手とやり取りしろ」という話ではありません。あくまで本書の最終的なゴールは、「あらゆる内容を、できるだけ喋らずに伝える」こと。思考を「紙1枚」にまとめることで、コミュニケーションを円滑にする――本書にはそのための秘訣が記されています。

ビジネスパーソンが学ぶべき「世界中の経営理論」

入山章栄『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)

続いて、第8位『世界標準の経営理論』にもご注目ください。経営理論を学ぶことは、どんなビジネスパーソンにとっても役立ちます。なぜならビジネスの本質とは意思決定そのものであり、経営理論はそのサポートをしてくれるからです。

著者・入山章栄氏によると、一流の経営者の共通項は「常に考え続けている」ことにあるといいます。経営理論をベースや補助線として、自分独自の思考の軸を形成していく。それがビジネスパーソンとしての成長を促します。

世界中の経営理論を網羅的・体系的に解説するという本書の試みは、極めて貴重なものです。800ページを超える大著ではありますが、驚くほどわかりやすく、そのページ数を感じさせません。世界の経営学の英知が凝縮されたこの一冊、読まない理由はないでしょう。