――今年5月、NKSJホールディングスの佐藤正敏社長が日本興亜と損保ジャパンの合併に言及しました。2つのブランドを1つのプラットフォームで支えるグループの考え方に変化はありませんか。

考え方に変化はありません。2ブランド体制という新しいビジネスモデルを提示したのがNKSJホールディングスであり、1つのプラットフォームの効率をいかに極めていくかに全力を挙げて取り組んでいます。現時点で合併の検討は全くしていません。

――ただ、昨年度は3メガ損保のうちで唯一、赤字に転落しました。今後どのように収益力を向上させますか。

収益力向上は喫緊の課題だと認識しています。しかし、奇手妙手はありません。基本に立ち返り、社員の潜在力を引き出し、伸ばしていくしかない。

第一歩として、来年度から人事制度を改めます。たとえば転勤のない地域社員のなかにも、実力を発揮し地域でたいへん評価されている営業担当者は少なくありません。新制度では彼ら、彼女らが支店長になりやすくなります。

効率化もこれまで以上に進めます。事務やシステムの統合は進んでいますが、成果が見えにくかった。今後は見えやすい成果も出していけると思います。

(面澤淳市=構成 尾崎 三朗=撮影)