コロナの2次感染拡大が起き、経済活動が停滞

悲観シナリオはどうなるか。それはコロナの2次感染拡大が起き、経済活動が停滞して、GDPが二番底になるようなケースです。そうなるとリスクオフの地合いになり、株も為替も下落する方向に向かっていきます。年末頃、100円割れになってもおかしくありません。

今は実体経済が悪いのに、期待に支えられて株価の高い状態が続いています。20年4月、FRBがジャンク債の購入を決めたことで、株式市場に安心感が広がりました。また米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を据え置き、年内の利上げ予想回数をゼロにすると発表したことも株価を下支えしています。

つまり、急落が起きるようなリスクを先送りして、政府や中央銀行の政策に支えられているのが今の株価と言っていいでしょう。少しでも中央銀行が出口に向かうそぶりを見せた日には、強いマグニチュードの株安や円高が起こるリスクはあります。

一方、ドル円相場の戻り歩調がやや加速していき、年末には110円付近になるというのが楽観シナリオです。ただし、アメリカの金融引き締めが早期に実施されることは考えにくく、急激なドル円上昇は見込んでいません。長期的に見ると、時間をかけて経済がポジティブになっていき、出口戦略もうまくマーケットに刷り込まれていくのが、理想的なシナリオではないかと思います。

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