人手不足感もかなり緩和

景況感が急速に悪化していることにともない、人手不足感もかなり和らいできました。

図表3は短観の「雇用」に関する数字です。

「過剰」から「不足」を引いた数字ですが、例えば、3月調査では、大企業製造業は「マイナス11」です。中堅企業、中小企業と規模が小さくなるほうが、不足感が大きくなっています。中小企業の非製造業では「マイナス39」ですから、3月時点では人手不足感はかなりのものであったと考えられます。

それが、非製造業ではいまだに不足感があるものの、大きく改善しています。製造業では、大企業、中堅企業、中小企業ともに、過剰が不足を上回っています。つまり、人が余っているということです。人手不足は急速に変化したといえます。

厚生労働省が発表している雇用統計を見ても、そのことが分かります。求職者数を求人数で割った「有効求人倍率」を見ると、昨年の前半には、1.63(つまり100人の仕事を求めている人に対して163人分の仕事があった)ということに対して、今年の5月には、1.20まで落ちています。まだ、全体では人が足りない状況ですが、不足感は大幅に緩和していると言えます。

日本経済は、4~6月に非常に深い底をつけて、少し回復していると私は判断していますが、その回復は力強さを全く欠いている状況です。「ウイズコロナ」が続く限りは、その回復度合いはかなりスローな状況が続くことを覚悟する必要があるでしょう。

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