業種別に見るとさらに厳しい状況が浮き彫りに

今回発表の6月調査をさらに詳しく見ていくと、業種によっては非常に厳しい状況であることが分かります。

まず製造業から見ていきましょう。先ほども見たように、大企業製造業全体では、「マイナス34」と非常に厳しい状況なのですが、図表2にあるように、その中でも、「鉄鋼」(マイナス58)、「造船・重機」(マイナス46)、「自動車」(マイナス72)と惨憺たるものです。

自動車は、2次下請け、3次下請けなど、すそ野がとても広い業種です。自動車の大企業は「マイナス72」ですが、中堅企業で「マイナス77」、中小企業では「マイナス79」となっています。企業規模が小さいほど大変な状況が分かります。

自動車関連でも大企業はまだ海外で活路を見出すこともできますが、企業規模が小さくなればなるほど、それが難しくなります。また、鉄鋼の数字が悪化したのも、自動車の悪化に関連する部分が大きいと考えられます。

非製造業にも厳しい業種があります。先ほども述べたように全体でも「マイナス17」まで悪化しているのですが、中でも、対個人サービス(旅行業、遊園地などの娯楽業ほか)は「マイナス70」で、3月調査時に比べ一気に64ポイントも悪化しました。もっと厳しいのが、宿泊・飲食サービスです。なんと「マイナス91」まで下がっています。この業種のほとんどの企業の景況感が悪いということです。