「まじめにコツコツ学習する子」に向いている塾

【日能研】

成績上位の子に限らず、どんな子でも受け入れてくれる、間口の広い中学受験専門の塾。特に中堅校に強い塾です。中学受験に必要な知識を満遍なくカバーし、一定のペースで進めていきます。比較的宿題が少なく、同じ問題を何度もじっくり考えさせる傾向があるので、大きく落ちこぼれる子は少ないですが、他塾に比べて類題演習が少ないため、解法や知識の定着には工夫が必要になります。

4~5年生のうちに1週間の学習リズム(本書の3章「平日&週末の対策」参照)を作り上げられるかどうかによって、親の負担が変わります。「学習力育成テスト(旧カリテ)」や「公開テスト」が来るたびに慌ててテスト勉強をするタイプの子はテストの成績も不十分で、そのテスト直しに時間が取られ、次のテストに向けての勉強ができないという悪循環に陥ってしまいます。

6年生になるとテストの回数が増えるため、毎週の勉強が全く回らなくなってしまう場合もあり、その際は親の負担が大きく膨らみます。まじめにコツコツと学習して、以前に学んだことをきちんと覚えていられる子に向いている塾です。

R4偏差値(日能研が主催する公開テストの合格可能性数値)など提供されるデータは多いのですが、過去の数値に引きずられている面もあるように感じます。日能研のデータだけで判断するのではなく、他塾のデータも参照したほうがいいでしょう。いろいろなレベルの中学受験に対応可能な塾ですが、“是が非でも御三家”というなら、SAPIXの選択肢も考えておく必要があるでしょう。

教材の完成度が高いが、一昔前とは大きく違う

【四谷大塚】

小規模の準拠塾が多数あるため、テストの母集団には非常に優秀な上位層から中堅~下位層まで、幅広く在籍しています。自社制作のテキスト『予習シリーズ』は完成度が高く、以前は中堅~下位層でも質の高い学習ができていました。

しかし、近年、カリキュラムが変わって、難易度と進行速度が大幅に上がったため、上位層クラスでなければ教材内容を十分に習得することが難しくなっています。首都圏で子ども時代を過ごした親世代にとってはなじみのある塾とも言えますが、一昔前のイメージとは大きく変わっていることを心得ておきましょう。

SAPIXに比べると、テキストがまとまっていることや、クラスによって使う内容が決められているため、親が関わらなければいけない部分は少ないでしょう。ただし、週例テストが4年生から毎週あり、カリキュラム進度が速くなったことで負担は増えています。