子どもの成績が伸び悩んでいるとき、親はどうすればいいのか。関西を中心に展開する進学塾・浜学園の橋本憲一学園長は、「保護者が感じる『成績の伸び悩み』は、とてもあいまいで漠然としている。そのため、まず『何を理由にそう感じるのか』を整理してみるといい」という——。

※本稿は、橋本憲一『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか』(ポプラ社)の一部を再編集したのものです。

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親のネガティブ感情は子どもに影響する

「塾に通っていると、子どもの友だちの成績が気になる」という保護者の悩みを、ときどき耳にすることがあります。

相手がわが子と同じ学校を志望していたり、切磋琢磨せっさたくまするライバル同士だったりすることで、親としてつい意識してしまうこともあるでしょう。

しかし、ほかの子どもの成績がどうして気になるのかというと、それは親自身が、自分の子どもの成績が悪いと思っているときだからです。

その焦りが、周囲との比較になってしまい、「○○くんのほうが、わが子よりもよく頑張っているように見える」とか、「△△くんのほうが、うちの子よりもしっかりしている」という具合に、敏感に反応してしまうのです。

子どもの成績がよいときは、そんな比較はしません。

ほかの子どもとわが子を比較してしまうのは、コンプレックスがあるからです。

このような状態のときは、一度考えだすとそれがずっと頭のなかに残り、そのうちに四六時中考えてしまうようになります。わが子のことですから、それも仕方がないのですが、親がネガティブな感情にからめとられてしまうと、少なからず子どもにも影響を与えてしまいます。その結果、負の連鎖になりかねません。