渡部さんと不倫した女の子を必死で探す週刊誌記者たち
文春砲の後、多くのネットメディアは追随するように渡部さんに関する記事を連発した。各メディアの編集者たちの話を聞く限りでは、どれもPVを稼ぐ「ドル箱」になっているようだ。となれば当然、私たち週刊誌記者も渡部さんと不倫をした女の子たちを必死になって探すことになる。
みな、通っているキャバクラの女の子たちを中心にラインを送り、なんとかして探し出そうとしたことだろう。私も同じように、いろいろなお店の女の子にラインをバンバン送った。「渡部さんと不倫した子を知りませんか? もし、話してくれたら謝礼もお出しできます」といった旨のラインを何十人と送った。港区を中心に遊びまわっているネタ元にもお願いのラインを送った。
1人だけ、過去に渡部さんと肉体関係をもったことがあるという女の子にヒットしたが、渡部さんが既婚者であることから訴訟のリスクがある。そのため、大々的に週刊誌の誌面で話してくれるまでは至らなかったが、「軽いコメントならしてもいいですよ」という返事があった。
「文春の記事は本当に正確だと思いますよ。港区女子の一部の間では有名なんですが、記事内にある『15分で終わった』というの話も、私の経験とも相違はありません。モノ扱いされていたと書いていますが、数十分で1万円ならいいんじゃないかなと私は思いますけど」
探せば探すだけ当事者が出てきそうだと、私をはじめとする週刊誌記者たちは感じている。しかし、「『週刊文春』のことだからすでに全部知っているのではないか」というあきらめの気持ちがあることは否めない。
『週刊文春』のスクープの取り方
ここ数年、話題性のあるスクープを報道するのは『週刊文春』と相場が決まっている。同じ業界にいて、よくも毎週毎週大きなスクープを連発できるよなと感心してしまう。なぜ彼らのスクープは途切れることがないのか、知人の文春記者にその仕事内容を聞いてみたことがある。
「私たちの1週間は、1人5本のネタ出しから始まります。長年働いている先輩たちはいろいろなところにさまざまな人脈があり、毎回強いネタを出してきます。こんな有名芸能人と直でつながっているんだとびっくりさせられることも多々ある。それに加えて、文春というブランドがあるので、以前私が在籍していた週刊誌よりタレコミの質が段違いです。タレコミだけでページが作れるくらいです。なので、タレコミの精査をすることも仕事のひとつです」
そのあとはネタをタレこんできた本人を中心に、裏取りをする作業に入る。張り込みも行い、大きなネタになると記者やカメラマンふくめ10人以上を投入することもあるという。
「新谷学元編集長の『「週刊文春」編集長の仕事術』にもありますが、とにかくこれというネタが決まると徹底的に追いかけます。渡部さんは、『週刊文春』を発行している文藝春秋で本を出版していますが、そんなことはお構いなしですよ」
アイドルのグラビアページで成り立っているような写真週刊誌では、有名アイドルグループのスクープを取ったとしても、問答無用でお蔵入りだ。『週刊文春』にはそのような忖度がない。その点、『週刊文春』は公正なメディアのひとつなのではないかと思う。