衣・食・住の費用は「仕事を頑張っている自分へのご褒美です」
約1カ月間、記録をした後の面談で一緒に振り返りをしました。支出の費目のひとつひとつについて納得できる支出か、そうではないかを一緒に判断していきます。
例えば、「住居費(賃貸マンション)」の額は妥当か、家賃を下げるために転居しても構わないかなどとひとつずつ考え、答えを出すのです。そうすると、頭の整理ができ、自分にとって大切な支出が何かが見えやすくなりますし、次第に価値観の形成にもつながっていきます。
結果、Bさんは「衣・食・住」を充実させることが、自分の幸せにつながると感じることがわかりました。
住居は駅に近くて通勤しやすいことが重要で、コロナ以前は食事もネットやクチコミで評判のレストランで食事をしており、コロナ以後は高級食材で調理したり、テイクアウトしたりすることが楽しみです。また、洋服などに気を使いおしゃれをすることも、日々の幸福感につながっています。
こういうことがわかってくると、この衣食住にまつわる支出は、Bさんの暮らしの中で優先度の高い支出であるといえ、削減は積極的にしない支出となります。よって現状、「家賃」は9万8000円とワンルームマンションとしてはやや高めですし、「食費」は6万8000円もかかっていますし、「被服費」に2万5000円も払っていますが、「すべて仕事を頑張っている自分へのご褒美のつもり」ということで今回は、不問にすることにしました。
スマホなどの「通信料」を1万2000円から3000円に圧縮
では、これら「衣食住」以外のコストはどうするかといえば、この支出は金額や購入頻度を下げることを徹底的に検証しなければなりません。
まずメスを入れたのは「通信費」です。スマートフォンの利用料に加え、自宅に光回線を引いていたため、月1万2000円となっていました。Bさんのライフスタイル上、自宅回線は必要なさそうです。また格安スマホに乗り換えるべきと本人もわかっていたのですが、携帯ショップや家電量販店での手続きが面倒で、長年、手を付けていなかったのです。結果的に、通信費は月約3000円へと大きく減りました。
また、Bさんには日用品や雑貨類を目的なく衝動買いしてしまう傾向があり、そこを改め支出を削減しました(「日用品代」8000円→6000円)。
その他の費目にもどんどんメスを入れていきました。
「水道光熱費」は、照明をつけっぱなしにしない、家電使用頻度を抑える、使用しない家電のコンセントをつけっぱなしにしない、といった基本対策でムダ使いを避けることで月1万8000円が1万6000円に減りました。
健康のために加入していたスポーツジムも幽霊会員状態で、「来月は行こう」と思いつつ払い続けているとのことで、思い切ってやめることにしました(「教育費」8000円→0円)。
同じく体づくりの一環で購入していたサプリの定期購入も一部とりやめました(「医療費」4000円→2000円)。読まないのにたくさん買ってしまう書籍なども、買わずに借りるようにしたいと考え、支出削減を図りますが、毎月購入している趣味の雑誌だけは気分転換にも必要と考え、そのまま残しました(「娯楽費」1万8000円→6000円)。