数年で2兆円を超える「愛媛船主」の市場

商船三井の歴史

愛媛県今治市波方町――「海山城」に登ると、のどかな瀬戸内の眺望が広がる。来島海峡に島影が連なり、「しまなみ海道」の下を船が行き交う。中世には村上水軍がここを拠点に暴れまわり、現代は「愛媛船主」と呼ばれる外航船オーナー約50社が集まる。その保有隻数は600~650隻、1兆5000億円の市場だ。あと数年で900隻、マーケットは2兆円を超えると予想されている。

近年、商船三井を含む大手海運各社は、有利子負債を削減するために自社船から用船へオフバランス化を進めた。愛媛船主に低コストで船を保有してもらい、それを借りるパターンが急増している。金融機関も、船主に自己資金ゼロのフルファイナンスを認める融資攻勢をかけた。欧州やアジアの海外船社も低利の円ファイナンスの強みを持つ愛媛船主に接近した。愛媛船主が保有する船の3~4割は海外船社の支配下にあるといわれる。