今後の課題はいかに中部以外から学生を呼び込むか

同じカトリック系の上智大学とは関係が深く、59年の伊勢湾台風の支援をきっかけに、さまざまなスポーツで対決する「上南戦」が始まった。1年ごとに東京と名古屋で開催され、通算成績は南山の17勝38敗5引き分け。南山には「勝てば学長をプールに投げ込む」との伝統があるが、19年まで3連敗中だ。南山大学長室によると、20年4月に就任する米国出身、ロバート・キサラ新学長も伝統を受け継ぐ考えだという。

日本経済新聞社『名古屋のトリセツ』(日本経済新聞出版)

18歳人口の急減で、学生の奪い合いはさらに激しくなる。地元で根強い人気を誇る愛知の私大も例外ではない。河合塾の岩瀬さんは「中部だけでなく、他の地域から学生を呼び込めるかが課題になる」と指摘する。

愛知に国立4大学愛知県にある国立大は、名古屋大学、師範学校が前身の愛知教育大学に加え、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学の工学系2校がある。名大は旧帝大で最後発ながら、天野浩教授ら学部や大学院出身の5人がノーベル賞を受賞。名工大と豊橋技科大は7~8割が大学院に進み、技術者や研究者として中部の製造業を支える。

名大は経営を効率化して国際競争力を高めるため、2020年4月に岐阜大学と運営法人を統合する。県境をまたぐ国立大の法人統合の先行例として注目されている。

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