イライラして前髪を抜いてしまう女性もいる

このようなケースでは、ひどくなると自傷行為をしてしまうこともあります。

わたしが相談を受けたなかに、30代前半の女性で、イライラし始めると無意識に前髪を抜いてしまうという人がいました。これも自傷行為のひとつなのですが、本人は無意識に行っているので自分ではとめられず、毛根が禿げてしまっていたのです。

症状が悪化すると、自傷行為を自分でやめられない人もいます。その女性は、職場の上司の理解があったので、専門医に通院して、数カ月後に癖がなくなりました。

髪が長かったので、髪型でごまかしていましたが、毛根がなくなると生えてこないので、一生残ってしまいます。症状が悪化していく前に、怒りをうまく扱えるようにしたいものです。

やけ酒も自傷行為である

身体に悪いと思っていても、やけ酒を繰り返す人もいます。

「こんなにお酒を飲んだら身体を壊す」とどこかでわかっているのに、自暴自棄になって過度に飲酒をしてしまうのです。このように自暴自棄になることも、怒りを自分に向けている行為のひとつ。つまり、自傷行為に該当します。

こうして自分の心や身体を傷つけてしまう人もいるのです。

よく「気分転換やストレス解消に何をしていますか?」と聞くと、飲酒やタバコが出てきます。でもじつは、イライラするからタバコを吸うという行為は、依存性が高まりますし、本数も増えてしまうので要注意です。

これは、ほかのことにも当てはまります。飲酒・やけ食い・買い物依存症なども同じです。イライラするたびに何かをしてしまうのなら、依存性が高い証拠です。

やけ食いの場合、イライラしたら食べるということを繰り返していると、無意識に習慣になってしまいます。そして刺激が足りなくなり、どんどん量が増えていくのです。このような場合、味わうわけではなく、ただ食べることが目的になっています。

結局、ストレス発散にもならないばかりか、どんどん症状が重くなるだけです。

ほかにも、ストレス発散のためにギャンブルをする、ネットサーフィンをする、TVゲームをする、といったことも依存性を高める行為です。これらに頼り続けていると、どんどん不健康になってしまうので気をつけましょう。