「ドライブインシアター」の需要が高まる可能性も

その状況を恨んでも仕方がない。重要なことは、新しい価値観を取り込みつつ、これまでにはない満足感の創出を目指すことだ。例えば、映画館がボックス型の密閉された席を設ける。その中に、高機能の音響機材などを設置し、好きな食事を取り寄せられるようにする。

そうした映画の楽しみ方を提供できれば、自宅での映画鑑賞にはない価値を見いだす人は増える可能性がある。同時に、映画館の運営者にはコスト吸収の方策など、抜本的な発想の転換が必要だ。個室空間で映画を楽しむという点では、「ドライブインシアター」への需要が高まる可能性もある。

コロナショックを境に、世界経済は第2次世界大戦後に経験したことがない危機の淵に立っている。同時に、デジタル技術の活用や導入により人々の生き方が急速に変化している。企業経営者がそうした変化に積極的かつスピーディーに対応できるか否かが、企業の持続的な事業運営に大きな影響を与えるだろう。

関連記事
緊急事態宣言でも「ハンコ」を強いる日本企業に欠けている視点
わずか2週間前に「総額440万円の結婚式」の中止を決めた新郎の主張
コロナ禍で観光需要が瞬間蒸発、そこから見えた日本経済の問題点
あなたは大丈夫か…「コロナ失業リスク」が最も高い業種は?
「とりあえず通勤してくれ」コロナ時代には通用しないダメ上司3タイプ