世論調査が突きつける「安倍首相のうさんくささ」の中身

4月28日、共同通信社が発表した憲法に関する世論調査は興味深い。改憲の必要性について肯定的な回答は「どちらかといえば」も含めると61%だった。それに対し、「安倍政権下での改憲」については賛成40%で、反対58%だった。

国民の61%は改憲に対して肯定的だが、安倍氏の改憲に賛同するのは40%にとどまる。安倍氏に向けられる「うさんくささ」が、この21ポイントのギャップに表れている。

とはいえ、安倍氏は改憲をあきらめたわけではない。コロナ対応が夏ごろには一段落するとして、秋ぐらいからギアを入れ来年の通常国会で国会発議まで持ち込みたいというシナリオは捨てていない。そうすれば来年9月に行われる自民党総裁選で4選論が浮上する可能性もあるし、4選を求めないとしても「改憲に道筋をつけた男」としての評価は残る。

来年9月の総裁任期までリベンジを目指すが…

安倍氏が現段階で目指す改憲のポイントは、3日のビデオメッセージで語った通り「自衛隊」と緊急事態条項になる。特に「緊急事態」は、コロナ禍の記憶が残る国民の理解を得やすいとみて前面に出していくことになるだろう。

5月4日、緊急事態宣言を延長する記者会見で、記者団から「憲法記念日のビデオメッセージで緊急事態条項の新設に意欲を示されたが、コロナの感染収束が見通せない中で、改憲議論にコロナの問題を持ち上げるのはどうなのか」という「直球」の質問が出た。

安倍氏は「既に自民党は4項目のイメージについて提案をさせていただき、その中で緊急事態宣言がある。今の事態だから申し上げているのではなくて、ずっと申し上げているということです」と、短く答えて、次の質問に移った。素っ気ない態度は、本音を見透かす質問を受けて、うろたえているようにも見えた。

いずれにしても「20年施行」を断念した安倍氏は、来年9月の総裁任期までの間にリベンジを目指す。ただし、タイムリミットが迫っているのに加え、コロナ対応で支持が低迷する今の安倍氏にとって、その道はきわめて険しいのは間違いない。

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