「国保組合」加盟の事業主は保障制度がないかチェックを!

例外的に認められた国保の傷病手当金ですが、給付額は直近給与の3分の2とし、会社員の傷病手当金と同等の扱いです。

しかしながら、受給可能なのは「給与を受け取っている人」に限り、ここでも事業主は対象外です。役職に関わらず健康保険の被保険者であれば傷病手当金が受けられる会社員とは、やはり大きな違いがあります。

では、事業主が新型コロナに感染して働けない場合、なんの保障もないのでしょうか?

事業主の中には、国民健康保険「組合」といって業界団体ごとの健康保険に加入している方もいらっしゃるでしょう。国保組合の中には、傷病手当金または入院見舞金といった名称で保障を用意しているところもあります。まずはご自身の加入制度の確認をしてみましょう。

しかし、会社員のように収入の3分の2といった保障とは異なり、一日につき数千円という定額保障が多いようなので、やはり個人事業主は新型コロナ感染により生活困窮に陥るリスクが高いといえます。

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働き方に関わらず等しい保障を得られる仕組みが必要

個人事業主やフリーランスの方は、社会保険給付がなければ融資に頼らざるを得ませんが、金利があってもなくても返さなければならない借金を抱える重みはなくなることはありません。

平時においては、社会保険の保険料は「払いたくないコスト」と嫌う人も多いのですが、有事はすべての人を等しく襲うのだということを考えると、働き方に関わらず、等しい保障を得られる仕組みをもっと考えていく必要がある、ということが、今回私たちの社会に突きつけられた大きな課題ではないでしょうか。

実は、社会の強いムーブメントによって「変化」が起こった事例もあります。2019年4月から始まった「国民年金被保険者の産前産後の保険料免除制度」です。

会社員のいわゆる「育休」と比較するとまだまだ保障が手厚いとはいえませんが、個人事業主やフリーランスの方の保障の改善に、一歩前進したといえるでしょう。なおこの制度を維持するために被保険者一人一人が負担したのは、月100円の保険料アップでした。