3月末まで韓国と中国からの入国を大幅に制限

安倍政権は3月5日、感染拡大を防ぐための新たな水際対策として次の3点の入国制限の強化を決め、3月9日から実施した。この入国制限は3月31日まで続けられる。

(1)韓国と中国からの日本人を含む入国者全員に対し、自宅や宿泊先で14日間待機するよう求める
(2)韓国と中国に発給済みの査証(ビザ)の効力を停止させる。両国の一部地域に限定していた入国制限をビザの効力停止によって両国全体に広げる
(3)韓国と中国からの航空機の到着は成田空港と関西国際空港に限る。両国からの旅客船についても旅客運送の停止を求める

これまでは規制の対象地域を、出入国管理・難民認定法によって韓国・大邱テグ市や中国・湖北省、浙江せっこう省など4地域に限ってきた。そのうえで4地域に過去2週間以内に滞在歴がある外国人らの入国を拒否してきた。

しかし入国制限が両国全体に広がったことから、9日からは韓国と中国から日本への入国は、かなり難しくなった。

なぜか日本にだけ「対抗措置」を取る韓国の文政権

ところが、である。驚いたことに韓国が対抗措置に出た。韓国の文政権は6日、日本政府が決めた韓国からの入国制限の強化に対し、「対抗措置を取る」と発表。実際に日本と同時に9日午前0時からビザを免除する制度を停止し、さらには日本への渡航に関する警報を引き上げた。

この韓国の対抗措置、実に大人げない。韓国では感染拡大による混乱で文政権自体が批判にさらされている。不支持率が支持率を上回る状況が続いている。ここで日本に強い態度を見せなければさらに批判が高まり、4月の総選挙に大きく影響すると文在寅大統領が判断したのだろう。

これまでに100以上の国・地域が韓国からの入国制限を実施している。しかし韓国が対抗措置を取ったのは日本だけだ。韓国は流行の発祥地である中国に対しても入国制限を行っていない。なんとも文大統領らしい対応である。