「大手は高い、中小は安い」とは限らない
一概に大手だから高い、中小だから安いということもない。引っ越し費用は高めでも、段ボールの無料枚数が多い業者もある。
また、最初に見積もりを出す営業員の資質によっても料金は変わる。ベテランだと値段交渉における采配力が大きい印象だ。筆者は短期間で同量の荷物で引っ越した際、前回の見積もりをとっておき、その数字を元に同じ業者に交渉したことがある。引っ越し料金自体は下げられなかったが、無料段ボール枚数を増やしてくれるなどの配慮があった。同様に、複数業者に見積もりを取る時は他社の数字や無料サービス内容を提示して、交渉の材料にすればいいだろう。
売れるものは売り、捨てられるものは捨てておく
他にもできることはある。まず、引っ越しは荷物が少ないほうが安く済む。荷物が多いほど、運ぶトラックのサイズが大きくなり、作業人数も増えるからだ。節約をしたいなら、引っ越しが決まったら、間髪入れず不用品の処分を始めよう。
メルカリがニッセイ基礎研究所の監修のもとに実施した「引っ越し実態調査」によれば、引っ越しで捨てた不要品の総数に、メルカリでの平均価格をかけあわせたところ、親子3人世帯で平均15万5010円の「機会損失額」が出た。すべてを自分で売るのは無理でも、押し入れにしまったままの引き出物や洋服・小物などを、捨てるのではなくリサイクル業者に依頼すればいい。少しでも値がつけば、引っ越し代の足しになる。
お金にならない家具は、引っ越し前に自治体の粗大ごみ回収に出しておこう。ただし、繁忙期には粗大ごみの申し込みが混雑するため、希望の日に引き取りが不可能なことがある。早めに動こう。
家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は、「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」に基づき、販売店を通じての回収になる(既定の家電リサイクル料のほかに収集運搬料等がかかる)。本来は、新しく家電を購入した時に利用するサービスだが、ヤマダ電機やケーズデンキでは店舗に直接持ち込むことも可能だ。
さすがに冷蔵庫や洗濯機は無理だが、筆者は液晶テレビを直接車で運んだことならある。そのほか、電子レンジや炊飯器など小型家電も1000円程度で持ち込めるので(小型家電リサイクル法の対象品に限る)、引っ越し前に、少しでも処分をしてしまいたい人にはお勧めだ。
※家電リサイクル料金や引き取りにかかる料金は、各社ウェブサイトで確認を。