世界で人気が加速するテキサスホールデム
ここでポーカーについて、簡単に解説しておきたい。ここで言うポーカーとは、「テキサスホールデム」と呼ばれ、100種類以上あると言われるポーカーのなか、世界で最も競技人口の多いゲームだ。日本人になじみ深い「ドローポーカー」とは、ルールもゲーム性も大きく異なっている。一般にカジノでポーカーと言えば、このテキサスホールデムのことを指す。
最初各プレーヤーに2枚ずつカードが配られ、それとは別に全員が使える共通カードが場に5枚開かれる。この計7枚から5枚を選んで、役をつくって勝負する。ゲームは4ラウンドで構成され、個人用のカードが2枚配られたとき、共通カードが3枚オープンされたとき、4枚目、5枚目がオープンされたときに、毎回チップを賭け合う。最終的に賭け額が揃ったら、カードを見せて、できた役を発表し、勝敗が決まる。
駆け引きだけでなく「数学的根拠」が存在する
最初に賭けるとき、判断に使える情報は自分に配られた、たった2枚のカードしかない。そこからラウンドが進むごとに、全員が見られる共通カードが増える。盤面の情報量が増えるとともに、それを見て相手がどう賭けたか、前のラウンドと比べて動きは変わったか、いま場に賭けられているチップはいくらで相手はいくら賭けてきたのか、などの情報を総合して考え、勝てるかどうかを見極めていく。
目の前にある限られた情報から、最大限の情報を引き出し、自分が勝つための戦略を決めていく、究極のマインドゲームだ。ただし、「人狼」などの駆け引きが勝利の要素を占めるゲームとは異なり、必ず根底には数学的根拠が存在している。
これはトレードの世界でも全く同じだ。自分の手札(資産や経験値)をもとに、売買状況や材料(株価に影響するようなニュース)といった公開情報を加味して勝負していく。勝つために必要なアプローチや、強者となるための資質は、ポーカーで必要とされるものと一致しているのである。