この国のインターネット産業の中心には、いつの時代もサイバーエージェントの名前がとどろいている。最強のIT企業を牽引する社長・藤田晋は、筋金入りの麻雀打ちで、プロ顔負けの腕前を持つことでも有名だ。彼がそこまで打ち込むのはなぜなのか。(第1回/全3回)

麻雀も仕事も人生も運が7、実力が3

麻雀が自分の仕事に役立っているかと問われれば、間違いなく役立っています。麻雀から得られるものは、ビジネスや経営にも活かせます。実際、経営者の中には「麻雀と経営は似ている」と語る人が多いものです。

サイバーエージェント代表取締役社長 藤田 晋氏

麻雀は、136ある牌を組み合わせて役を完成させていく頭脳ゲームです。伏せられた牌の山から一牌ずつ引いていくわけですから、実力だけでなく、運にも左右されます。そのせいか「麻雀は運ゲーだ」と言う人も少なくありません。私の感覚としては実力にそこまで差がなければ、運が7、実力が3といったところでしょうか。

運が7とは大きな割合に感じるかもしれませんが、少しだけ長い目で見れば、その3の実力で強いか弱いかがほとんど決まります。運がよいときと悪いときは誰にでもあるわけですから、ある意味平等です。すると残った3、つまり努力や才能といった実力の部分で大差がつきます。結局は「実力ゲー」なのです。