災害時の保険金請求のためにも名義変更を

離婚の場合、大きな問題になるのが財産分与です。一般的には夫婦の共有財産(夫名義、妻名義を問わず、結婚後に形成された財産のことを言います)が2分の1ずつに分割されます。日本では、持ち家に住んでいる場合は、資産の中で不動産が大きな割合を占めます。不動産は多くの場合、夫の名義になっているので、妻から見ればその価格が上がっている時期が離婚の狙い目となります。不動産業界ではかねて「五輪以降の市況の見通しは不透明」とされており、現時点で向こう3年以内の離婚を考えている方は、早めに決断したほうがいいかもしれません。

法制審議会では現在、空き家対策のため「所有者が死亡した土地の相続人に登記を義務付けする」ことを協議中ですが、相続不動産の名義変更は、法律が改正されるかどうかにかかわらず、できるだけ早めに行うべき。首都直下型地震などの大災害に遭った場合、保険金の請求にも登記は必要となります。災害や離婚に備え、資産と負債の一覧表をつくっておくことをお勧めします。

(構成=久保田正志 写真=Getty Images)
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