友人が設立した会社を手伝ったりしました

「神奈川県湯河原町の生まれで、神奈川大学経済学部に進学しました。起業ブームの時期でもあり、友人が設立した会社を手伝ったりしました。週1回の家庭教師や湯河原の温泉清掃なども手掛けていましたから、学生時代に月20万~30万円稼いでいました」

「上京ライフ」には地方出身者に寄り添う記事が多い。その中の「パイセンの教え」では、第一線で活躍する先輩が上京当時の自分をさらけ出す。「ホームシックになったら」ではレモンの産地・広島県出身者向けに、レモンサワー専門店も紹介。キーワードは「庶民価格でおいしい」だ。「神奈川県のはずれから上京しました」と公言する小山田さんならではの気遣いだろう。

さて、前述の清掃活動の件である。

「ご一緒するのは40代や50代も多く、区議会議員もいれば、高校生の娘さんと母子で参加している住民の方もいるなど多彩です。この活動が高じてコミュニティラジオ計画も進んでいるんですよ」と目を輝かせる。

赤坂に会社も設立したが「社員はぼく1人」。その身軽さで、ボランティアや取材活動で知り合った人と人との触媒役を務めている。小山田さんの周りでは、知り合いと知り合いをつないだ小さなプロジェクトが目白押しだ。最近、そんなプロジェクトの1つとして、予約制レストランを間借りしてランチ限定のカレー店を開いた。

取材日はそのプレオープン日。撮影直後に携帯の着信を受けた小山田さんは、「あ、すみません。想定外のことが起きたので」と、慌ただしく昼の繁華街に消えていった。

賢人8人の時間術を紹介したが、共通するのは「肩肘を張らない」、そして「まずはやってみる」姿勢だ。いつも1人ではないが四六時中は群れない。そんなバランスのいい距離感を大切にしていると感じた。読者のみなさんも、ぜひ参考にしていただきたい。

【心得】人と人とをつなげることに価値を見出す

(撮影=永井 浩)
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