多くの富裕層と仕事をしてきた午堂登紀雄さんは、彼らが孤独な時間を好む傾向にあると指摘します。お金持ちは、一人の時間に何を考えているのでしょうか。彼らが重視する孤独の効用とは?
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富裕層のメンタルが強いワケ

たとえば「孤独死」がメディアを騒がせるように、孤独はいけないものだ、寂しく悲惨なものだというイメージがあると思います。

しかし実は富裕層ほど、ひとりだけの孤独な時間を好むものです。なぜ彼らは孤独を大切にするのでしょうか。

一つは、経験した出来事や直面した場面を振り返り、次につなげるためです。

これは単純に反省や分析といったことにとどまらず、自分に起こったことの意味や理由を解釈して論理的に理解し、自分なりに納得する内的作業、つまり内省です。

たとえば忙しく働いていて、体調を壊して入院したとき、「これは休息しろということなんだろうな」と意味づけすることで、仕事に後れを取ってしまう焦りや、会社に迷惑をかけるという罪悪感を和らげようとするのはよく聞く話だと思います。

あるいはリストラに遭ったり、大好きな人との別れに直面したりしても、「自分はこの会社に合わなかっただけで、ほかの場所で価値を出せということだ」「ほかにもっと良い人で巡り合うための別れなんだろう」などと意味づけすると、苦しみも和らぎ、人生へのモチベーション復活に貢献してくれます。

そんなふうに前向きな意味づけができる思考体系を獲得していれば、望ましくない状況に遭遇しても、心が折れず乗り越えることができます。

このように内省の時間を持ち、前向きな意味づけができているからこそ、富裕層の多くはメンタルが強いのです。