宮内庁が12月12日、進学先に注目が集まっていた秋篠宮家の長男、悠仁さまが、筑波大学生命環境学群生物学類に合格したと発表した。学校推薦型選抜の入学試験を受けたと説明している。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「個人的には、良い選択をされたと感じた。もしあのまま東大への進学を選ばれていたら、秋篠宮家への批判が制御できないほどに大きくなっただろう」という――。
悠仁さまが入学することになる筑波大学生命環境学群生物学類がある、筑波大学筑波キャンパス
悠仁さまが入学することになる筑波大学生命環境学群生物学類がある、筑波大学筑波キャンパス(写真=Kanrika/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

筑波大学進学は「良い選択」

悠仁さまが、学校推薦型入試で筑波大学に合格されたという。東京大学に進学されるのではないかという声が大きかっただけに、意外に思われた方も多かったのではないだろうか。

個人的には良い選択をされたと感じた。もしもあのまま国民の批判の声を無視して東大への進学を選ばれていたならば、秋篠宮家への批判が制御できないほどに大きくなっただろう。制度的にはなにも「ずる」などしていないにもかかわらず、「裏口入学」とまでいう批判があったのだ。そのため、さすがに東大進学を推し進めるのは、厳しいのではないかと感じていた。

また筑波大学も、ほぼ面接だけで合否が決まる、アドミッション入試を利用するのかと思っていたが、学校推薦型選抜で入られたようだ。アドミッション入試については「悠仁さまのために作られたのではないか」と勘繰る声もあっただけに、この入試方法を使わなかったのは批判を抑えるためにもよかったのではないか。何年にもわたる悠仁さまの進学をめぐる騒動が、ひと段落したようで心の底からほっとしている。

東大進学のメリットはなかった

以前も「悠仁さまは東大を受けさえすれば合格する」そう断言する東大出身の教授が語る東大入学の見過ごせないリスク(2024年8月30日公開)と題する記事で書いた通り、そもそも国民の批判の声があがるなか、悠仁さまが東大に進学するメリットはあまりない。

NHKや政府系機関などのように、東大生を多く採用する企業への就職を希望していたり、弁護士や官僚などのように東大出身者が多く、卒業後の同窓生ネットワークが活きる職業に就いたりするのであれば、多少のメリットはあるかもしれないが、悠仁さまにはその必要がない。

しかも、学生数が多く、教授陣は教育というよりは、自分の研究に没頭するタイプの人が多い大学である。悠仁さまに手厚い配慮をすることは、それこそ「特別扱い」になるため、難しいだろう。また、将来官僚や財界で活躍する人材との交友関係は、政治にはかかわるべきではない天皇には、プラスよりは、マイナスに働きかねない。さまざまなことを鑑みて、悠仁さまが東大に行く必要はないのではないかと思っていた。