子どもたち同士にも当然そういったことがあって、適時丁寧に対応しますが、「言いたいことありそうだな、我慢してそうだな」というのも、ボクは子どもたち全員と毎日日記を交換しているから、つかめることです。

大人の日常で、これはあんまり現実的ではありません。

だから、大人の場合には「言いたいけれど言えない」相手には、どのように穏当に付き合うべきか? を考えていくのが、有効なストレスマネジメントでしょう。

合わない人とはなるべく付き合わない

結論から言って、合わない人とは、なるべく付き合わない。ドライかもしれませんが、ボクは、もうそれしかないと思います。世の中には、職場でのストレスのかかる相手との、さまざまな付き合い方の方法論が存在します。

相手の懐に入ってみるとか、自分の意識を変えるとか、異動願を出すとか……だけどそれらは全て対処療法にすぎず、「言いたいけれど言えない」関係性そのものを、丸ごと変えているわけではありません。なぜなら、やっぱりそれはどうしたって至難のワザだからなんだと思います。

沼田晶弘著『one and only 自分史上最高になる』(東洋館出版社)

だから、「言いたいけれど言えない」関係は、「だったら言わなくていい!」というスタンスで、問題ないと考えています。自分が変わっても、相手を変えることはとても難しいから。

変わらない相手に期待をもち続けるのは、また別のストレスになります。そして「言いたいけれど言えない」関係は、より強化されていってしまう。

自分を守れるのは、自分だけ。

一定の距離を保ち、事務的な会話で済ませて(もちろん、感じはよく!)、嫌な気持ち自体が生じるのを、できるだけ抑える。地味ではありますが、なるべく付き合わないというのが、ベストです。

「みんな仲よく」を押し付けない

よくする話ですが、ボクは子どもたちに「みんな仲よくしなさい」とは言いません。子どもたちも大人と同じように、それぞれ繊細な人間関係があります。大人にもできないようなことを、子どもに押しつけて彼らを苦しめてはいけないと思うんです。

そのかわり言うのは、「攻撃するな」ということ。

仲よくなくてもいいから、仲わるくなるな。これにはみんな納得してくれます。

大人にも当てはまるのではないでしょうか。人間関係は、「仲よく」が難しいときは、必要以上踏み込まず、なにより「攻撃せず」、仲わるくならない。これが正解です。

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