初の時価総額10兆ドル企業は「まだ誰も知らない会社」

——最後に、日本のインターネット企業に向けたアドバイスをお願いしたい。

【ミン・ゾン】まちがいなく言えるのは、日本のインターネット企業は世界で、それもオープンな環境で競争しなければならないということだ。アリババは創業間もない頃から中国市場でイーベイ、アマゾン、グーグルと競ってきた。世界のトッププレーヤーと戦うなかで強くなった。日本の企業もグローバルな舞台で、強力なプレーヤーと競い合うことが必要だ。

本書の結びに、GAFAやBATが誕生してから20年ほどに過ぎないが、どこが最初に時価総額1兆ドルの壁を突破するか楽しみだ、と書いた。それが2017年のことで、現時点(2019年9月)ですでにアップルを皮切りにアマゾン、マイクロソフトが次々と時価総額1兆ドルを超えた。

グーグル、フェイスブック、アリババも近い将来、それに続くだろう。そして次の壁が時価総額10兆ドルだとすれば、最初に突破するのは、まだ誰も知らない会社だろう。

(翻訳・構成=土方 奈美)
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