2040年にお寺も神社も3分の1以上が消えてなくなる可能性
2015年、日本創成会議(座長・増田寛也元岩手県知事)がレポート『地方消滅』を発表した。
2040年の段階で全国の自治体の49.8%が消滅する可能性を指摘し、社会に衝撃を与えた。この消滅可能性都市に存在する宗教施設をカウントすることで、将来的にどれくらいの寺院や神社がなくなっていくのかを占うことができそうだ。
すると、寺院はおよそ3万余りが消えてなくなる可能性があることがわかった(國學院大学・石井研士教授調べ)。神社も3万1000社が消滅する。ちなみに現時点で、空き寺は1万7000カ寺前後にも及んでいる。
ひとたび空き寺になってしまえば、いずれは野に還る。無住寺院では、伽藍の管理が行き届かなくなるからだ。台風で屋根瓦が数枚飛んだだけで、そこから雨漏りし、いずれ朽ちて再生不可能になる。あるいは動物が入り込んで、糞などをまき散らし、建物が使用できなくなってしまう。
日本最大の宗派、曹洞宗は1万4200カ寺のうち6000カ寺が無住に
寺院の消滅割合は各宗派によってもまちまちである。とくに消滅の程度が高いのは、山間部に立地する寺院を多く占める教団だ。
2040年における宗派別寺院消滅率は、高野山真言宗(消滅割合46%)、曹洞宗(同42%)、真言宗豊山派(同39%)、天台宗(同36%)などである。宗門の存続にも関わるほどの厳しい未来予想となっている。
特に全国に1万4200カ寺近くの寺院を抱える日本最大の宗派、曹洞宗は約6000カ寺相当が無住になる可能性がある。曹洞宗では現在、宗派を挙げて過疎地の寺院問題の検討会などを開いているが、いまのところ打つ手は見いだせていない。