解約について、意外だったのは、解約したユーザーが利用を再開するケースが多いということです。今回のサーベイでは半分以上の人が1回解約したあとに再契約していることがわかりました。どういったタイミングで再開するのかというと、たとえばNetflixだと、見たい動画がまた案内されてきた、Zaimの場合はライフステージが変わった、といったことがきっかけになっています。その場合に重要なのが「前の設定が簡単に引き継げるかどうか」です。一から登録し直さなければならないとなると、NPSが下がる原因になります。一方で、自分の以前のデータが残っていて簡単に引き継げた場合は、一度解約した方でも推奨者になる場合さえあることが今回の調査から見えてきました。

トラブル対応の影響

もう一点、推奨者にも批判者にも振れやすいポイントである「トラブル対応」については、動画配信のような受動的なサービスの場合、「トラブル解決までこれくらいかかります」「原因はこれです」といった説明がNPSに大きく影響することがわかりました。

一方で「こうすればいいですよ」という参考情報の提供は、動画配信のユーザーにとってはまったくありがたなくない、むしろ迷惑と感じるといった結果がでています。一方で家計簿アプリや、生鮮配送サービスなどの能動的に使うサービスでは、「このようにすればご自身でも対処できたりしますよ」といった情報がトラブル対応時にあると、NPSが上がります。サービスのタイプによって、同じ顧客体験の中でも注力すべき改善点が異なってくるのです。