備え付けのシートヒーターを使うだけで月額料金がかかる

欧米の自動車メーカーを中心に、自動車に搭載される一部機能を月額課金制(サブスクリプション)に切り替える動きが広がっている。

米Teslaは2021年7月、自動運転プログラム「Full Self-Driving」(FSD、フル・セルフ・ドライビング)のサブスク提供を開始。これまでFSDは1万ドル(約135万円)の買い切りで提供されてきたが、月額199ドル(約2万7000円)で利用できるようになった。

BMWやアウディなどもこの動きに追随。BMWは運転補助サービスに加えて、座席を温めるシートヒーターもサブスク化した。しかし、これにはユーザーが猛反発し、炎上状態になった。

夜の路上にいるパトカー
写真=iStock.com/z1b
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シートヒーターははじめから全車に搭載されたハード装備だ。ユーザーは「購入したクルマに装備されているのになぜ使えないのか」と不満を爆発させたわけだ。

「とりあえず全車に装備してあとで課金する」という手法は、使う見込みのない装備を搭載する無駄を生んでいるとの指摘もあり、浸透への道はスムーズではない。

無理を承知でサブスクモデルを推進する一部メーカーだが、その胸中には、避けがたい昨今の事情により低下した収益性を少しでも回復したい思惑があるようだ。