宿題の目的は「こなすこと」ではない

主体的に勉強に取り組むためには、次のような条件をつけるといいと思います。

1 わかっていることはやらなくていい
2 わからない箇所があったら、ひとつでも2つでもいいのでわかるようにする

最初の条件はすでに書いた通り、わかっていることに時間を割くのは時間の無駄だからです。ポイントは2つ目です。一律に出される宿題では子どもにとって「宿題をこなすこと」が目的になってしまいます。すると、自分が解ける問題ばかりを解いて宿題を提出さえすれば、「よく頑張ったね」と親や先生から褒められ本人も満足してしまう。でも子どもにとってわからない問題はわからないまま。これでは学びになりません。

一方で、「わからないものをわかるようにしてね」と言われたら、宿題(自主学習)の目的は「わからないものをわかるようにする」、この一点にフォーカスされます。

すると子どもながらに「どれがわからないかな?」「どうやったらわかるようになるかな?」といろいろ考え始めます。

学習スタイルは「課題解決スタイル」になる

親や兄弟に質問する子もいれば、放課後に友だちや先生に聞こうとする子もいるでしょう。図書館で本を借りたり、YouTubeで調べたり、Yahoo!知恵袋を参照する子もいるかもしれません。答えにたどり着くための道程はひとつではありません。その過程を考えるほうが大切です。

「いろいろな方法がありそうだけど、どれがベストなのか?」

と、子ども自身に考えさせ、実際に試行錯誤してもらうのです。

こうした体験を続けていると、子どもの中で「わからないものをわかるようにするには何らかのアクションが必要である」と意識づけされていきます。そして、どんなアクションが自分に合っているかも経験でわかるようになってきます。こうして、自分の学習スタイルが確立されます。それはまさに大人になったときに必須となる課題解決のスタイルそのもの。子どもの将来の生き方・働き方に直結していく話なのです。