「制度やマーケットができあがる前にやってしまうものだから、失敗もたくさんあります」と友田さんは謙遜しますが、まずは商品化するというこの姿勢が事業の拡大につながっているのは間違いありません。

アイデアを形にしていく「ユーザー共創」

友田さんはご当地サイダーで得たODMのノウハウを、「自社の夢を実現する場」と位置づけます。地域と、ユーザー、そして働く人と思いを共有して、幸せになるという夢です。

「日本中、世界中にニーズは山のようにある。そして、アイデアは転がっている。大手では断られてしまうような少ない販売数の商品でも、私たちならスピード感をもって、小さなロット数でも工場を回すことができます。どんな小さなニーズにも応える商品開発をして、そこに私たちも協力することで、一緒になって夢を叶えていきたい」

そのなかからヒット商品が生まれる友桝飲料。いい企画を生み出す秘訣はどこにあるかと尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「答えは消費者が持っているんです。最終的には消費者に正面から向き合わないといけません。どれだけ会議室で話し合っていても、出てくるのは大手の二番煎じのアイデアばかりですから、閉じこもっていても仕方ない。世界のどこかにいる、いちばんその商品を作りたいと思っている人のサポートをすることです」

実際に、友桝飲料の新商品の9割が一般消費者や顧客、あるいはパートナー企業などのユーザーの提案からスタートしているといいます。そして、そのユーザーがその商品に込める思いを共有し、価値を見いだしていく「ユーザー共創」が実践されているのです。

一般的に伝統的企業では、自社のアイデアや技術を漏らしたくないと社内だけ、ともすると経営者1人で抱え込んでしまおうという企業も少なくありません。その殻から抜け出し、一緒に作ろうという姿勢が友桝飲料の商品開発を支えています。

いま注力するモスコミュール専用のジンジャーエールも、「モスコミュールにぴったり合う刺激の強いものを」という、バーテンダーの持ち込んだアイデアだったといいます。

「社外にこそアイデアマンがたくさんいるんですよ。なかには、清涼飲料ではない魅力的な企画を持ち込まれることがある。今後は、サイダー以外の商品開発について、例えばリキュールならこの企業、お菓子ならこの企業というように、コンサルティング業務も行いたいと思っています」