日韓関係が冷え込むほど韓国経済に負の影響
エレクトロニクス以外にも、自動車や造船などの業種で韓国企業の業況は悪化している。それに加え、一部の財閥企業では世襲経営の限界が顕在化し、経営内容が急速に悪化している。韓国政府がこの状況をどのようにして乗り切ることができるか、妙案は見当たらない。
本来、韓国が経済の安定を目指すにはわが国との関係強化が欠かせないはずだ。韓国の財界では政府は日本との対立を深めてはならないとの危機感が強い。それは、日韓の関係が冷え込むほど韓国経済への負の影響が大きくなるとの考えがあるからだ。
文政権がそうした懸念に耳を傾け、国家間の合意を重視できるか否かが韓国経済の先行きに無視できない影響を与えるだろう。
法政大学大学院 教授
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。