「まるで手品のような巧妙な工夫」が必要な解法

湯川博士はつるかめ算について、「まるで手品のような巧妙な工夫」が必要な解法だと述べている。つまり、xを使う方程式を使って解く場合(代数)と比べて、算数の範囲でつるかめ算を解くと、ややこしいということだろう。

ちなみに、1次方程式を使うと次のように解ける。「500円玉の枚数をx枚とおくと、100円玉の枚数は(19-x)枚」となり、「500x+100(19-x)=5100」という方程式ができる。これを解くと、「500x+1900-100x=5100」→「500x-100x=5100-1900」→「400x=3200」→「x=8」。これにより、500円玉は8枚と求められ、苦もなく解ける。

なお今回の例に出した、つるかめ算の問題は、中学受験では基礎レベルだが、「速さのつるかめ算」といった応用問題もあるので、興味のある方は挑戦してほしい。

小杉拓也
志進ゼミナール 塾長
東京大学経済学部卒業後、IT関連会社を経て、個別指導塾の講師へ。その後、埼玉県に学習塾を開業。著書に『中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる』など。
(構成=田之上 信)
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