靖国にも、旧陸軍墓地にも、そして皇統にも、先人のたくさんの命が染みついていることを忘れてはならない。それが良いか悪いか、正しいか間違っているか、合理的か不合理か、論理的か精神論的かなんてことは問題じゃない。単純な2000年以上の伝統という話でもない。とにかく、そういう先人の命の上に、今の自分たちが生きているということを忘れてはならない。
熱狂的男系男子維持派の国会議員やインテリたちは、どこに男系男子維持の理由を見出しているのだろうか。なぜあそこまで熱狂的になれるのだろうか。いつから男系男子の皇統を守らなければならないと本気で思ったのだろうか。先人の命を想え! と一喝されれば納得するが、彼ら彼女らからそのような声は聞こえてこない。僕は彼ら彼女らを間近に見てきて、多分にファッション的なものを感じる。今も本気で皇統を守るために命を差し出す覚悟を持っている人も存在する。しかし、少なくても国会議員やインテリにはその覚悟はないだろう。彼ら彼女らには本気の熱を感じないんだよ。
僕が男系男子の皇統にこだわる理由の柱は、この先人の命の点だ。しかし、これも時代と共に変わってくることまでは否定できない。というのも、関ヶ原の戦いで命を落とした先人に対して、僕は正直そこまでの強い想いを抱いていないからね。
(略)
(ここまでリード文を除き約3300字、メールマガジン全文は約1万2500字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.151(5月14日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【令和時代の天皇制(2)】安定的な皇位継承のために僕たちの世代がやるべきこと》特集です。