「『なだめ行動』と呼ばれているもので、顔をさわる、服をいじる、アクセサリーやネクタイに手がいくなどといった、余計な動きが出ると、怪しく見えてしまいます。注意したいのが視線です。嘘をついているときに視線をそらしたり目が泳ぐ人が、特に男性に多いからです」(荒木氏、以下同)

なだめ行動のすべてがマイナスとは限らない。しかし、初対面の相手に与える印象は重要だ。普段、子どもが無意識のうちになだめ行動をしていたら、指摘してあげるといいだろう。

「テレビの記者会見の映像を親子で見ながら『今のがそうだね』などとチェックするのもいいでしょう」

とはいえ、どんなに優秀でも、どんなに準備していても、彼らはまだ高校生、見知らぬ大人との会話に緊張は避けられない。適度な緊張は必要だが、過度な緊張は力を発揮する妨げとなる。

「そこで有効なのが『パワーポーズ』です。胸など身体を開きパワーや権力を示すようなポーズを2分間行うと、ストレス物質が減るという研究があるのです。これを面接の前に行うといいでしょう」

まず、形から入ることが重要。パワーを誇示するポーズを取ると、“心”も徐々についてくるというわけだ。

「普段から、学校や塾の試験前などにパワーポーズを取ったりその姿勢で歩く習慣をつけておけば、本番前でもやり忘れませんし、心を落ち着けるおまじないのような効果も期待できます。もし、圧迫面接にあって心が凹みそうになったときも、これに倣って身体が縮こまらないよう、少しだけ胸を開くことを意識すれば、それだけでも自分を奮い立たせることができます」

面接中、自分の姿勢を客観視できるようになるには、腰と上半身の状態を意識することがポイントになるという。

「体幹を意識したストレッチが効果的。写真や文章だけで伝えるのは難しいのですが、まず腰の位置を認識したら、次に腰と上半身の関係がイメージできるようになります。もともと様々な動きをするパントマイムの準備体操としてやっていた動きですが、身体のそうした意識を高めることで、自分の姿勢が堂々としているか、萎縮しているかがわかるようになり、着座していても自分の姿勢をコントロールできるようになります」