東大・京大「推薦」は、通常レベルではムリ
大学入試において、AO・推薦入試による入学者は今や私立大学入学者の半数以上。国公立大を含めても全体の4割超となっている。
しかし、こうした制度を体験していない親世代には、「勉強のできない子がうまいことやる試験」とキワモノ視したり、逆に「部活や大会での全国レベルの成績や受賞歴がないとムリ」とイメージしている向きが多いようだ。
実際はどうなのか。城南AO推薦塾塾長の川原洋孝氏によれば、超難関大学については後者のとおりだという。
「東大・京大はセンター試験を課すなど学力的にも難関。求められる活動実績も科学オリンピックの国際大会出場など、通常レベルでは太刀打ちはムリ。文系も英検1級かTOEFL100のレベル、加えて特殊な活動歴が問われます。高校在籍3年間で対策可能とは思えません」(川原氏、以下同)
私立の二強・早稲田大と慶應義塾大も最難関だ。「英語力は英検の準1級以上のレベルが評価の対象。生徒会活動に加え、他校生とボランティア、ビジネス、独自研究などを行っていると評価が高い」。
面接試験の翌日に大学トップから「ウチにぜひ」と電話が入ったり、合格した早慶双方を蹴って米ハーバード大に進んだツワ者もいるという。
「難関大の合格者は、講師のアドバイスに忠実で素直。落ちるのは自己中心的な生徒です。正しい情報を持つ人間が得するのが、AO・推薦入試なんです」と川原氏は言い切る。
「何より重要なのは、経歴そのものではなく、大学側に提出する『志望理由書』の中身。最難関私大の中には、志望理由書をどこまでしっかり作り込むかで合否がほぼ決まるケースもあります。一般入試の偏差値70の大学でも、40~60の生徒が合格しています。本人の努力は不可欠ですが、学力で偏差値を20も30も上げるよりは現実的です」
となると、入学後についていけるのかを心配する親もいるだろう。
「本格的な入試対策によって、文章力が相当鍛えられます。大学ではむしろそれが活きて、トップクラスの成績を残している子も少なくありません」