「ずっとギリギリの生活だったんです」
一生懸命に生きてきたのに、どうしてこんなに苦しい生活ばかりを強いられるのでしょうか? ほとんど恋愛経験もないままに結婚して、立て続けに3人のお母さんになって、子育てに追われているうちに、夫は去り、気がついたらシングルマザーになっていました。
離婚した元夫は養育費をきちんと払ってはくれず、家族4人で生きていくためにはとにかく働くしかありませんでした。もちろん母子手当は支給されましたが、昼はビルの掃除をし、夜は居酒屋で働いて得たお金を合わせても、ギリギリの生活だったんです。
でも、子どもたちは本当によく頑張ってくれましたよ。
いちばん上のお兄ちゃんは、中学に入ったころからアルバイトをして家計にお金をいれてくれました。お小遣いをせがんだことなど一度もありません。自分のアルバイトのお金ですべてをやりくりするしっかり者で、妹たちの修学旅行の費用の一部も負担してくれました。あの子には本当に一番苦労をかけたと思います。
長女と次女も私に迷惑をかけないように、気を遣っていたのではないでしょうか。わがままを言うことなどほとんどなく、進んで家事をやってくれました。でも、本当はもっと遊びたかったんじゃないかと思います。もちろんお兄ちゃんも。それを思うと申し訳ないですよね。
そんな子どもたちの手助けがあっても、睡眠時間を削って、鉛のように重い身体に鞭を打って働いても、家計はいつも火の車。それなのに養育費を払わない夫にはなんのペナルティもないんですよね。その夫が離婚後数年で再婚したと聞いた時には、その理不尽さにはらわたが煮え繰り返る思いでした。世の中不公平じゃないですか?
仕事から帰ると、郵便局の不在票がポストの中に入っていました。送り元は、司法書士事務所。いよいよ裁判手続きになるってことでしょうか。管理会社の人が言っていました。
書類を見ると、1週間以内に全額を支払えって書いてあります。そんなこと無理です。払えないなら賃貸借契約を解除するって、わたしはこの先どうなるのでしょう。
「私に死ねと言うのですか?」