獣医師らがすぐには豚コレラを疑わなかった

新聞各紙の社説はどう書いているか。

「防疫態勢に甘さがあったと言わざるを得ない。関係機関は、感染ルートの解明や養豚場の衛生管理の徹底を急ぐ必要がある」

こう書くのは2月10日付の毎日新聞の社説だ。見出しは「豚コレラの感染拡大 防疫態勢の甘さが招いた」である。この防疫態勢の甘さとは何を指すのか。

「岐阜と愛知では、豚を診た獣医師らがすぐには豚コレラを疑わず、初動が遅れた。愛知の養豚場では、豚の体調の異変を認識しながら出荷が続けられ、感染を広げてしまった」

感染拡大を許さないためには、何よりも初動が大切だ。

「豚コレラの初期症状は発熱や食欲不振などで、他の病気と区別しにくいとされる。だとしても、愛知の事例は理解に苦しむ。隣の岐阜で豚コレラが発生したことに県や農家が危機感を持っていれば、もっと迅速な対応ができたのではないか」

初動の遅れを防ぐには、日頃からの危機管理が重要となる。

なぜ中国政府はモラルの低い国民を取り締まらないのか

毎日社説は「全国の畜産農家は、今回の感染を人ごととせず、対策の基本を着実に実施してもらいたい。他の感染症の防止にもつながる」と書き、最後に侵入が警戒されている「アフリカ豚コレラ」についても言及する。

「中国では、豚コレラより致死率が高い『アフリカ豚コレラ』が流行している。治療法もワクチンもない」
「昨年10月以降、中国からの旅客が持ち込もうとした豚肉製品から、このウイルスが相次いで検出された。水際対策の強化も欠かせない」

アフリカ豚コレラでも、中国の旅行者の問題が浮上している。どうして中国政府は他国に迷惑をかけるモラルの低い国民を取り締まらないのか。