月4000円のみの貯金が月5万円超になった

さらに月2.5万円かかっていた水道光熱費にもメスを入れました。次郎さんの母親が電気を消し忘れたり、水を出しっぱなしにしたりするので、その対策としてLED電球をつけ、節水シャワーヘッドや蛇口ヘッドを取り付けました。その結果、月3000円のコストダウンに。家族の前で、水道代や電気代、ガス代の額を以前のものと比較して見せると、「おお~」と感心してくれたそうです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Yagi-Studio)

細かいところでは、クリーニング(被服費)や有料テレビ(その他の費目)、子どもが友人宅へ遊びに行くときのお菓子代(交際費)などを少しずつ見直し、支出を減らしました。

気づけば、毎月の支出は4.7万円も減り、貯金にまわせる金額は5.1万円になりました。世帯月収45万円弱のうち5万円が貯蓄になるわけですから、1割強が毎月の貯蓄となる。これはすばらしい成果です。

次郎さんにとって、それ以上の喜びとなったのは、陽子さんの意識が徐々に家計に向くようになり、「生活レベルを落とさずに、無理なく支出って下げられるものなのね」というようになったことでした。

世帯合計100万円のボーナスの半分以上も貯蓄に回す

貯蓄の金額が少し積みあがった頃、ボーナス支給の時期となりました。

いつもならみんなで「あれが欲しい、これが欲しい」と出費の嵐となっていたのですが、今回はみんな慎重です。「家電もギリギリまで使ったほうがいいよ」「でも、新しい商品に買い替えたほうが、結局電気代が安くなるのでは」など、子どもたちも家計の切り盛りに意見を述べるようになりました。結局、ボーナス(世帯合計100万円)の半分以上を貯蓄に回すことにし、順調に通帳の残高を増やしています。

「仕事で疲れているから家計をつけるのは無理」「家を買ったのだから、月々の収支は赤字でなければそれでいい」。月の家計を管理する際、どの家庭でもこうした「抜け道」がしばしば生まれます。それを放置すれば、それだけ貯蓄額が減っていく。人生100年時代の今、それは致命傷となる可能性があります。

今回、家計がぐんと引き締まった林家も、家族の成長とともに、まとまったお金が必要な場面に遭遇するはずです。支出の削減や節約にウルトラCはありません。今できること、当たり前なことに無理なく取り組み、楽しく暮らしながらお金を残すことを意識していただけたらうれしいです。