夫の提案で始めた食費の「1週間予算管理」

林家の家計は、突出したムダ支出はないものの、全体的に支出が多めです。全体的に少しずつ絞るだけで、お金は貯められそうですが、それには家計を管理している陽子さんの協力が不可欠です。

家計を改善するために、何とか陽子さんを巻き込みたい、そして一緒に家計管理をしてほしい。次郎さんはそう考えています。支出の改善ポイントはわかっているのに、ただ記録しているだけ。改善を提案しても受け入れられない、そんな状況を歯がゆく思っていました。

どうすれば陽子さんの行動を変えられるか。次郎さんは「妻一人に任せきりにしないことではないか」と気づきました。次郎さんも買い物に付き合うなどして、買い方から変えてくれるよう働き掛けるといいのではないか。そうするうちに、妻も支出を減らすことに関心を持ってくれるのではないか……。

「それはいるの?」「買いすぎじゃない?」「今日は安くないよ」

また、買い物の同行とともに、次郎さんは「1週間の食費の予算管理」をはじめました。月の食費を5等分して、1万6000円を毎週の食費とします。できればこの中に日用品代も含め、現在かかっている日用品代を少しでも浮かそうという狙いがあります。

家計簿をつけても、集計が不十分で、使い方の振り返りもしない、よくも悪くもお金に無頓着な陽子さん。次郎さんからの「1週間、食費1万6000円」という提案に「額が少なすぎる」などと反発することもなく、まあいいかというような感じで取り組み始めました。買い物は週末中心に行き、次郎さんが荷物持ちと称して付いていくことにしました。

家族5人分の食材は意外と量が多く、電卓がないと合計額を意識した買い物ができません。買い物初心者の次郎さんは、野菜や肉など食品の価格を把握するようにしました。そのうえで、「それはいるの?」とか、「買いすぎじゃない?」「今日は安くないよ」などと声をかけました。それによって、月1.5万円ほど買い物の支出額を減らすことできました。

生活日用品が月1.8万円と比較的高くなっていたのは、買いだめや新商品の試し買いが多かったためでした。次郎さんが一緒に買い物に行くことでそれが抑えられ、月8000円ですむようになりました。