コンビニの駐車場にワルガキがたむろしていたら別店に行けばいい。コソコソ逃げるようで、子どもの手前、みっともないと思うなら、

「○○でソフトクリームを食べよう」

とでも言えばよい。「戦わずして難を避けるが上の上、戦って難を逃れるが中の中、戦って負けるのが下の下」──これが護身の極意なのである。

家を一歩出ればトラブルのタネはいくらでも転がっている。子どもがヨチヨチ歩きから幼児、小学生と成長するにつれて、外出の機会はどんどん増えていく。好奇心旺盛で元気盛りの子どものことだ。電車や飲食店で騒ぐこともあり、それだけ周囲とのトラブルに遭遇する可能性も高くなる。

だから子どもを連れて外出するときは「トラブルになったときにどうするか」ではなく、「トラブルにならないようにするにはどうするか」ということを第一に考えて行動する。これが、お父さんの基本的な処し方なのである。

それでもガラの悪い人物に当たったら

ガラの悪い男にカラまれたからといって、いきなり殴りかかってくることはない。手を出せば、傷害罪で一発アウト。だから恐れることはなく、毅然として対峙すればよい。繰り返しておくが、いきなりポカリということは絶対にないのだ。

では、ガラの悪い男はどうやってインネンをつけるか。意外かもしれないが、論理的に攻め、「おまえが悪い」という図式に持っていく。手を出した場合を想定し、手順を踏んでカラんでいるのだ。

たとえば、こんなふうになる。

「こらッ、人の顔、なにジロジロ見てるんだ!」
「見てませんよ」
「見てねえ? じゃ、てめえ、オレがウソついてるってのか?」
「ついていません」
「じゃ、見てるってことじゃねぇか! ちょっとこっち来い!」

おわかりだろうか。「見てません」という返答を逆手に取り、テコにし、「じゃ、オレがウソつきか」と恫喝していく。

「ウソつきです」

と言えば、「この野郎!」となる。

「ウソつきではない」

と返答すれば、「ジロジロと顔を見た」は論理的に事実となり、結論は「ジロジロと見たおまえが悪い」ということになって、インネンは正当化される。