キティちゃんの圧倒的カリスマ性

それを確信させてくれたのが、サンリオピューロランド(東京都多摩市)での“主”ハローキティの存在感だったという。

「衝撃でした。なんといってもカリスマ性がすごいんです、生キティちゃんは……。初めて『ミラクルギフトパレード』(ピューロランドの定番パレード)を見たら、絶対感動すると思います。キティちゃんやマイメロディ、キキララといったキャラクターが出てきて楽しくワイワイやっているところに、『こんな世界、くだらねぇ』と突然ヒールが登場するんです。ピンチに陥ったところでキティちゃんの彼氏・ダニエルが、『みんなで倒そう』と立ち上がる。でもキティちゃんはそこで、『ちょっと待って、倒すなんてやめて! 誰にだって暗い気持ちになるときはあるわよ!』と言うんですね。力で対抗するのではなく、精神の部分で解決するんです」

キティちゃんと撮影した写真を見返して微笑むファラオさん

泥臭い仕事もこなすエンターテイナー

サンリオの基本理念は「みんななかよく」。それを誰よりも体現してるのがハローキティだと、ファラオさんは語る。例えばディズニーのミッキーマウスは世界観を守ったブランディングで人気を確立しているが、ハローキティは多くのコラボ企画を行い、ネットでは「仕事を選ばない」と揶揄されるほどだ。そうした姿勢が、ファンをひきつけているのだという。

「キティちゃんは1974年生まれなので来年45周年ですが、これだけ長いことやってきているのに泥臭い仕事をやっている。だからこそファンはキティちゃんをすごく尊敬していて、『キティさん』と呼んでいる人もいるくらいです。ミッキーのように徹底的にイメージをコントロールして生まれるカリスマ性もあれば、キティちゃんのようにいつまでも初心を忘れないエンターテイナーという見せ方もあるんだと思います」