ピューロランドとディズニーランドの違い

ディズニーの話になると、それまでの温和な表情から一瞬キリッと目を光らせたファラオさん。そして「これだけは言いたいんですが」と前置きしつつ、こう語る。

「ピューロランドをディズニーランドの“劣化版”だと思っている人がいますが、ピューロに行くとそうではないとわかります。ディズニーランドはアニメ作品の世界観とアトラクションがメインで、ピューロランドはキャラクターとショーがメイン。ディズニーのような激しいアトラクションはありませんが、その代わりキャラクターと写真を撮ったり触れ合ったりするイベントやミュージカルやパレード、ショーが豊富なんです。実際、ダンサーさんのレベルに関しては、日本のテーマパーク随一と言われてるんですよ」

シールブックを自作。もちろんメインはクロミちゃん。

「ビジネス」疑惑は知識量ではねのけた

これほどサンリオ愛あふれるファラオさんだが、実はハマったのは2018年の6月頃と、最近のことだという。現在のお笑い芸人界は、ネタだけで身を立てていくのがなかなか難しい。多くの若手が特技や趣味を活かしたキャラづけに一生懸命なだけに、急にひとつの趣味を語り始めるのは「ビジネス」の疑いをかけられがちだが、ファラオさんは否定する。

「実際に、周囲からもそう言われたことはあります。もともとの僕のキャラクターとの違和感もあるんでしょうね。でも、自分で言うのもなんですが、芸人の世界で僕よりサンリオに詳しい人はいないんですよ。もしかしたら芸能界でもいないかもしれない。本当に好きじゃなければ、そんなに詳しくなれるものじゃないです。好きじゃないものを追求するのは苦痛ですから。だから今では周りの人たちも、『これだけ詳しければ本物だな』と見てくれるようになりました」

今では、ファラオさんの話から興味を持った芸人仲間をピューロランドに連れて行ったり、同志サンリオファンとの交流も楽しんだりしているという。サンリオという存在は、ファラオさんをどう変えたのだろうか。

「サンリオを好きになってから、周囲の警戒心は緩んだかなと思います。それなりに共演したことがあるような人でも、『ちょっと話しかけづらい』『怖い』と思われていたのが、話しかけてくれたり、こちらからもサンリオの話をしたりできるようになりましたね」