現役医師の風邪対策「スリッパ、柚子、養命酒」
5)筆者の風邪対策
最後に筆者自身の風邪の予防法を紹介したい。
昔から「頭寒足熱」というように、ピンポイントに足を温めることは、寒さ対策と勉強・仕事の効率アップに有用だと思う。足首には鍼灸のツボも集中しており、温めると何より気持ちがよい。筆者は、自宅でアウトドアスリッパを愛用している。これは、もともとキャンプのときにテント内で履くための用品なので保温性能はバッチリ、履いたまま寝てしまうこともしばしばある。実は、この原稿を書きながらも履いている。
風邪のシーズンになると、柚子が安くなる。出勤前に500mlの保温水筒に、「柚子果汁一個分(酸っぱいのが苦手な場合は半分、レモンでも代替可)+はちみつ大さじ4~5杯+熱湯」を入れて、移動中などにちびちび飲む。新鮮なビタミンとはちみつによるのど保護効果が期待できる。絞った柚子の皮は風呂にまわすのもよい。
入浴はぬるめのお湯にひたすら浸かる。すると、免疫とか末梢循環が改善するような気がする。筆者の場合、風呂に防水タブレットを持ち込んで、30分ぐらいダラダラしている。柚子の皮を投入したお湯は、弱酸性になってお肌にもやさしいような気がする。
背筋などがちょっとゾクゾクする夜は、養命酒をお湯割りにして、寝酒にしている。養命酒を愛飲する医師は、実はけっこう存在する。心臓外科医で元宇宙飛行士の向井千秋先生も、その一人だったと、夫で医師の向井万起男先生が『君について行こう 女房は宇宙をめざした』(講談社+α文庫)で書いている。