留学生は単なる「助っ人」なのか、それとも「良き仲間」か

日本の高校や大学に入るには、代理人に実力を認められないといけない。そのため、セレクションが行われると、夢をつかむために少年たちは死にもの狂いで駆け抜ける。

こうした留学生の奮闘は日本人選手にも影響を与える。

家族の期待を背負って、異国の地にやってくる留学生と、普段から接することで、日本の高校生も多くを学ぶことができるのだ。単なる「助っ人」なのか。それとも「良き仲間」となるか。それは、そのチーム次第ということになるだろう。

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そしてバスケでいえば、高校の試合でも2mを超すビッグマンと戦うことができるし、陸上では圧倒的な走力のあるケニア人に挑むことができる。それは「世界」を目指すという意味では、貴重な経験になるし、そのため日本人選手のレベルは格段にアップした。

留学生を受け入れる学校側は、スポーツで学校名をアピールすることができて、留学生は生活の面倒を見てもらいながら勉強ができるうえに将来の展望も開ける。両者の橋渡しをする代理人は報酬が手に入る。3者にメリットが出る仕組みが続く限り、日本にスポーツ留学生は次々とやってくるだろう。

日本で学んだ留学生アスリートがその後さらに成功する事例

日本で学んだ留学生アスリートは、その実力が認められれば、国内で次のステージ(実業団など)に進むことができる。中には国際的に成功を収めた選手もいる。バスケのモーリス・ンドゥールはセネガルから岡山学芸館高校に入学。同校を卒業後、米国の大学を経て晴れて世界トップのNBA選手にまでなった。

また、ケニアから仙台育英に入学したサムエル・ワンジルは、北京五輪の男子マラソンで金メダルを獲得。私生活ではトラブルに見舞われ、すでに故人となったが、高校時代に「我慢」を学び、大きな夢をつかんだ。

高校バスケの殴打問題は留学生の「我慢」が足りなかったのかもしれない。だが、来日する留学生は、日本のスポーツ界を荒らすためにやってくるのではない。自分の夢をつかむためにやってくるのだ。そして、それを支援しているのが、学校のアピールに必死な日本の大人たちだ。そう考えると、むしろ留学生を応援したくなるのは、筆者だけではないだろう。

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