ただ英語は、民間試験を活用する点で大きく変わる。しかし「大学入学共通テスト」でも英語はあり、民間試験をどう活用するかなど、いまだ不透明な部分が多い。

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「24年度からは全面的に民間試験を活用する方針ですが、それまでは大学によっては両方のテストが課されます。準備を両方しなくてはならないという点では、今の高1から中1までは気の毒とも言えますね」

では、小6以下が恵まれているかと言えばそうとも言えない。24年度からは、理科や社会でも記述式が出題されたり、「理数探究」など多数の新科目、プログラミングといった情報科目も導入される予定だ。

そんな不透明な状況のなかで、「中学、高校ともに、受験を避けて内部進学できる大学付属校の人気が高まっている」と話すのは、森上教育研究所の森上展安氏。なかでも“半付属”が人気と言う。

「内部進学と外部受験の両方可能な学校で、成績が伸びれば付属大学より高いレベルもめざせます」

さらに、教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は、「探究型の学びを展開している学校は、これから伸びる」と断言する。

「今回の大学入試改革は、知識偏重の教育から、自ら考え解決する力、21世紀型能力を育てる方向に舵を切るための改革です。テーマを設定し、調べ、発表したり、論文を書くような探究型の学びは、子供たちのそういった能力を伸ばすと言えます」

たとえば、海城の社会科では生徒が自ら研究課題を設定し、調査や取材を実施。中学3年次には、論文を作成する。かえつ有明の独自教科「サイエンス科」もユニークだ。織田信長とスティーブ・ジョブズの共通点や違いについて考えるなど、答えのない問いに取り組むことで論理的思考力を養う。

▼探究型の授業とは
探究型の授業は、一方的な講義形式ではなく、生徒が能動的に参加するアクティブ・ラーニング形式で行われる場合が多い。具体的には体験学習や調査学習、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークなどがあり、生徒の「主体的な学びの姿勢」を引き出すと言われている。