「薬局で買える睡眠改善薬は相当な安全性を要するため、処方される睡眠薬に比べ睡眠を促す作用はマイルドです。睡眠改善薬は、かぜ薬や花粉症などアレルギー治療薬として使われている抗ヒスタミン薬の一種で、かぜ薬をのむと眠くなることがありますが、それと同様の作用を利用しているものです」(福西院長)

睡眠改善薬は抗ヒスタミン作用のあるジフェンヒドラミンが配合され、商品名には、「ドリエル」「ネオデイ」「アンミナイト」「マイレストS」などがあるが、「睡眠薬とは似て非なるもの」といっていい。

「睡眠改善薬は、一時的に寝つきをよくする効果はありますが、数回使うと体内に耐性ができて効き目が落ちてしまいます。一時的な不眠の場合ならいいですが、一箱分を服用しても改善されなければ不眠症である場合が多いので、医師の診断を受けるといいでしょう」(林田院長)

林田健一(はやしだ・けんいち)
スリープ&ストレス クリニック院長
日本睡眠学会評議員・認定医。1996年東京慈恵会医科大学卒業後、同大附属病院などで睡眠障害の臨床研究と専門治療に取り組む。2007年同クリニックを開設。
 

福西勇夫(ふくにし・いさお)
南青山アンティーク通りクリニック院長
1984年徳島大学医学部卒業。米国での臨床および研究経験も豊富で薬物療法、精神療法、家族指導にも精通している。2003年に同クリニックを開設。