プリクラは「ハレの日」の楽しみ

プリクラの人気もまだ衰えない。マイナビティーンズラボが発表した「【2018年版】10代女子が選ぶトレンドランキング」では、「流行ったモノ」の7位に「PINKPINKMONSTER」、8位に「これ以上可愛くなってもいいですか」とプリクラ機がランクインしている。無料で撮影できるスマホのカメラと違って、一回400円かかるプリクラは、「ハレの日」に撮影する。例えば、体育祭や文化祭ではおそろいの衣装を手作りするのだが、その全身を記録に残すために、衣装を着たままゲームセンターなどに向かって撮影するのだ。

なぜわざわざプリクラに行くのか問うと、「スマホでは全身が撮りにくいし、足も太く写る」からだという。筆者は女子高生たちのプリクラ撮影に同行したことがあるが、照明が強めに当たるブースで器用にポーズを取り、手慣れた操作で美顔加工を施していた。撮影した写真はシールになるが、それほどシールは重要でなく、メールで受け取る画像データでSNSに投稿している。

自撮りといえば女子のイメージだが、男子もSNOWなどの加工アプリを使って自撮りしている。男子の場合は、自分の友人だけを撮影して、「さらす」ように投稿する特徴がある。さらすというと陰湿に感じるかもしれないが、ふざけて踊っているところなどをみんなで笑おうといった主旨だ。

カップル写真もSNSに

また、カップルでの写真もSNSに投稿される。ディズニーリゾートでの二人の様子や、プリクラなどが多い。付き合っていることを隠したいカップルは、自分の写真に異性の手を映り込ませるなど、「匂わせ」投稿をすることもある。匂わせ投稿は大人のSNSでも時々見かけるので、心当たりがある人もいるのではないか。

写真の撮影が日常的になっている彼らが次に楽しんでいるものは、動画だ。インスタグラムのストーリーズのように、ショートムービーを投稿できるSNSが流行し始めているのだ。ショートムービーSNSの中でも、音楽に合わせて口パクしたり、ダンスしたりする動画共有SNS「TikTok(ティックトック)」は、いま注目のサービスだ。10代の感度は高いので、SNSの移り変わりも早い。もしまだTikTokを知らない人がいたら、ぜひこの機会にのぞいてみてほしい。SNSが次のフェーズに移る転換期を目の当たりにすることができるだろう。

鈴木朋子(すずき・ともこ)
ITライター
メーカー系システムインテグレーターのSEを経て、フリーのITライターに。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。10代が生み出すデジタルカルチャーを追い続けている。著作は『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』『今すぐ使えるかんたん文庫 LINE & Facebook & Twitter 基本&活用ワザ』(技術評論社)など多数。http://tomoko.chu.jp/
(写真=iStock.com)
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