いまの10代は「写真」とどう付き合っているのか。全員がスマホをもち、どこでも写真を撮れるが、ときには「プリクラ」で撮影することもあるという。ITライターの鈴木朋子氏は「デバイスとともにSNSへの投稿内容が移り変わってきた。新しいデバイスに抵抗がない10代は、Instagram(インスタグラム)とプリクラをうまく使い分けている」という。最新事情を紹介しよう――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/D76MasahiroIKEDA)

中学入学を機にスマホを手に入れる

10代のSNS写真というと、どんなイメージをお持ちだろうか。「インスタ映え」に興じてマナー違反を犯してまで自撮りをする女子、アルバイト先でハメを外した写真をTwitterに投稿する「バカッター」などが浮かぶかもしれない。

しかし、インターネットとともに育ってきた10代だからこそ、リテラシーの高さを感じるシーンもある。本稿では、10代のSNSと写真にまつわるカルチャーについてお伝えしたい。

肌身離さずスマホを持ち、24時間友人とネットでつながっている――それが今の10代だ。幼い頃は両親のスマホや家族のタブレットでYouTubeを見て、中学入学を機に自分のスマホを手にする。そしてLINEで友人とつながり、ツイッターやインスタグラムなどのSNSもスタート、という流れが一般的だ。

もちろん家庭の方針でスマホを持つ時期が遅かったり、SNSは高校生まで禁止だったりと、細かな違いはある。しかし、多感な青春真っ盛りの時期にインターネットに触れ、常に写真を撮れる状況にある人がほとんどだ。

SNSは用途別に使い分け

ではどんなSNSが支持されているのか、総務省の「平成29年版 情報通信白書」の「主なSNSの利用率」を見てみよう。10代の利用率が高いSNSはLINE(男性10代70.8%、女性10代88.2%)、ツイッター(男性10代54.2%、女性10代69.1%)、インスタグラム(男性10代20.8%。女性10代41.2%)となっている。

こちらは2016年の調査なので、インスタ映えが「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞を取った2017年前後、インスタグラム人気は上昇しているはずだ(この調査ではYouTubeもSNSのひとつとして入っており、圧倒的な人気だが、動画サービスがメインなのでここでは割愛した)。

LINEとツイッター、そしてインスタグラムは用途別に使い分けられている。LINEは友人や家族との会話がメインだが、今の中学生はタイムラインへの投稿もよく利用する。1対1、またはグループでのチャットは終わりのきっかけがつかめず、いつまでも続くことが多い。また、通話やビデオ通話も無料で使えるため、特に会話もないままつなげている人もいる。