「恐れ主導」から「情熱主導」に生き方を変える
アメリカで精神科医として診療していて、現代人は恐れ主導で生きているということを日々感じています。もしものために保険に入り、スケジュールを守らなくてはと確認し、いろいろな形で鎧を着ている。このように恐れを起点に生きていると、上司に振り回され続けることになります。
対極にあるのが、情熱主導の生き方です。極端な話、その会社をやめて自分のやりたいことに近づいてみる。ここまで行くと生き方ですよね。人ではなく自分の物差しで評価するとか、自分と他人を比較しないとか、そのあたりから変わっていく。だから私の答えとしては、そういう上司がいる世界でも変われます。
この本は、変わっていくためのメソッドをより理解していただけるよう、小説仕立てにしました。登場人物たちは、ステップ1~5を約1カ月かけて取り組みます。
多幸感が増せば、ものを詰め込む必要がなくなる
全員の体重が減るという結末にはしています。ですが注目していただきたいのは、登場人物が最後に変わっている、幸せに傾いているというところです。
多幸感が増せば、空洞にものを詰め込む必要がなくなります。
痩せるのは、物理的には簡単です。それで一時の安心感を得たとしても、それは結局、上っ面に過ぎません。食という鏡は、何かを映し出しているんですよ。何かを変えるほうが先だと思いませんか。
医師/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わる。2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。著書に『世界のエリートがやっている最高の休息法』 (ダイヤモンド社)などがある。