フリーランスが加入しているのは国民年金のみ

(3)年金はiDeCoや小規模企業共済で上乗せを

年金制度も大きく異なります。会社員は厚生年金、会社によっては企業年金などが用意されています。さらに年金の規約によっては、後述する「iDeCo」に加入できる場合もあります。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/JianGang Wang)

フリーランスが加入しているのは、国民年金のみです。国民年金の支給額は、40年間保険料を納めた場合で(満額)、月額6万4941円(2018年度)です。これだけでは、とても生活できません。そこで利用したいのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「小規模企業共済」です。

iDeCoの掛け金は、全額が所得控除され、運用益は非課税、受け取り時にも税制優遇措置があります。節税しながら、老後資金の準備ができるということです。

フリーランスの掛け金の上限は、年額81万6000円。余裕があれば、上限いっぱいまで積み立てたいところです。

小規模企業共済制度は、フリーランスや小規模な法人の役員が対象で、事業をやめたときなどの生活資金などを積み立てておくための共済制度。掛け金は、毎月1000円~7万円まで500円刻みで設定でき、掛け金は全額所得控除されます。

フリーランスは、iDeCoと小規模企業共済の2つの制度を上手に活用して、老後の資金を準備するべきです。会社員と違って、自分で加入の手続きをしたり、運用方法を決めたりする必要がありますが、これらを怠ってしまうフリーランスは少なくありません。となると、老後の生活が逼迫するのは目に見えます。

面倒かもしれませんが、将来の自分にお金を渡すつもりで、頑張りましょう。

夢を追って「飲食店で独立」は要注意

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フリーランスはシビアな競争の世界に単独で乗り込む行為です。冷や水を浴びせることになったかもしれませんが、勢いで始めるべきではありません。特に一般事務などの仕事であれば、会社に勤めていたほうが報酬は多いという可能性もあります。

特に「飲食店で独立」は要注意です。以前のコラムでも紹介しましたが(「退職して手打ちそば屋を始める人の末路」)、「初期投資がかかり、在庫管理が難しく、客足の波がある」のが飲食店です。素人がおいそれと手を出せる代物ではないのですが、夢を追ってしまって痛い目にあう人は少なくありません。いずれにしても、まずは副業から始める、自分の仕事の単価を調べる、といった「準備」をすませておくことが重要です。

(編集協力=瀧 健(ファイナンシャルライター) 写真=iStock.com)
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